北海道・知床半島西部沖を航行中の観光遊覧船から23日午後、「浸水している」との118番通報があった。これまでの経緯をまとめた。
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■■■4月25日の動き■■■
17:00
国交省、運航会社や地元漁協訪れ聞き取り調査
北海道・知床半島沖で観光船が行方不明となった事故をめぐり、国土交通省の運輸安全委員会は25日、事故原因を解明するため、船の運航会社「知床遊覧船」や地元漁協を訪れ、聞き取り調査を実施した。
調査後に記者団の取材に応じた大熊寛章・船舶事故調査官は、同社の社長にはまだ聞き取りをしていないことを明らかにした上で「救助や遺族対応が優先。状況をみて連絡をとる」と話した。26日以降、事故当時の気象や海の状態などの情報を集めるため、地元関係者にあたるという。
11:20
官房副長官が会見 「捜索、救助活動に全力尽くす」
磯崎仁彦官房副長官が記者会見で、これまでに発見された11人全員の死亡が確認されたと発表。残る15人の行方不明者について「捜索、救助活動に全力を尽くしていきたい」と述べた。
遊覧船を運航していた「知床遊覧船」に国土交通省が特別監査に入っているとして、当日の運航の判断などを確認中だと説明した。磯崎氏は「監査結果を踏まえて早急に再発防止策を取りまとめていきたい」と話した。
観光船「KAZUⅠ(カズワン)」は23日午後1時13分に救助を要請。磯崎氏は救助に向かった海上保安庁の航空機が現場海域に到着したのが午後4時半、巡視船は午後5時55分だったと説明した。「船艇については海上が非常に荒天であり、通常よりも時間がかかった」と述べた。
09:30
運輸安全委の事故調査官、現地で情報収集
国の運輸安全委員会の事故調査官が斜里町の現地対策本部で情報収集を始めた。午後には漁協関係者からヒアリングをする予定。
08:30
発見された子ども1人の死亡確認
26人の乗客乗員が乗った観客船「KAZUⅠ(カズワン)」が行方不明になっている事故で、24日深夜に知床沖で発見された子どもの死亡が確認された。海上保安庁関係者が明らかにした。
24日までにほかに10人が見つかり、いずれも死亡が確認されている。海保や地元の漁協などが25日も捜索を続けている。
05:45
捜索2日目、12隻が出港 「昨日より波がない」
知床半島沖で乗客・乗員計26人が乗った観光船の行方が分からなくなってから3日目となった25日、北海道斜里町のウトロ漁港では午前5時45分ごろ、漁師ら約100人が漁船10隻と観光船2隻に乗り込み行方不明者の捜索に出港した。
事故当日や前日に比べて波が低くなっているとして、ウトロ漁業協同組合の深山和彦組合長(66)は「昨日より波がなくなって捜しやすい。早くみんなを捜してあげたいという思いで協力している」と話した。捜索範囲を前日より沖合に広げるという。
■■■4月24日の動き■■■
23:10
子ども1人を発見、意識ない状態
北海道の知床半島沖で観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が行方不明になった事故で、第1管区海上保安本部は24日午後11時10分、子ども1人を発見した。意識がない状態という。事故後に見つかったのは計11人となり、子どもは初めて。
同本部が25日未明に発表した。発見したのは海上保安庁の巡視船で、知床半島先端部の知床岬灯台の東方向14・5キロの海域で発見したという。
カズワンには子ども2人を含む乗客24人、乗員2人の計26人が乗っていた。これまでに発見されていた10人(男性7人、女性3人)はいずれも死亡が確認されている。
カズワンは23日午後1時13分ごろ、知床半島西部沖を航行中に「浸水した」と通報があり、その後行方がわからなくなった。海上保安庁や航空自衛隊などが周辺海域を捜索し、24日早朝以降に知床岬周辺で計10人を発見。その後も捜索を続けていた。
19:10
乗客の家族が遺体安置の体育館へ
死亡が確認された乗客の遺体が安置されている斜里町の体育館には、ブルーシートで覆われた通路を経て、家族とみられる人たちが続々と入った。むせび泣き、同行者に背中をさすられながら入っていく人も見られた。
報道陣に対応した斜里町の北雅裕・副町長によると、この日は乗客の家族計32人が体育館を訪れた。家族側には、消息を絶った観光船の運航会社から連絡をとったという。着衣などの遺留物を番号順に並べ、心当たりがあれば遺体を確認してもらっているという。
北副町長は「全員が早く見つかることを願っている。ご家族の心を思うと1時間でも早く会わせてあげたいという気持ちでいっぱいだ」と話した。
17:00
10人の死亡を確認
第1管区海上保安本部によると、北海道斜里町の知床半島沖で観光船「KAZUⅠ(カズワン)」と連絡がとれなくなった事故で、海上や岩場で発見された10人の死亡が確認された。
男性7人、女性3人で、24日朝以降、知床岬周辺などで見つかっていた。
15:15
新たに1人発見、計10人に
第1管区海上保安本部は、連絡がとれなくなった観光船「KAZUⅠ(カズワン)」を捜索している航空自衛隊のヘリコプターが、新たに1人を見つけたと発表した。容体は不明という。24日朝からの捜索で発見されたのは、これで計10人となった。
14:00
斉藤国土交通相が不明者の家族と面会
北海道斜里町ウトロ支所に設置された現地対策本部と、消息を絶った観光船の乗船場の視察を終えた斉藤鉄夫国土交通相が、ウトロ漁港で記者団の取材に応じた。対策本部では、観光船に乗船し、行方が分からなくなった人の家族と面会したことを明らかにし、「ご家族の方から今の気持ちをお聞きした。自分たちの気持ちに寄り添って対応してほしいという強いご要請があった。具体的な内容は控えるが、お気持ちに添って全力で対応していきたい」と話した。
11:45
発見は計9人に
連絡がとれなくなった観光船「KAZUⅠ(カズワン)」を捜索している第1管区海上保安本部(北海道小樽市)は、午前11時までに海上や岩場などで計9人を見つけたと発表した。
これまでの発表によると、このうち8人は意識がない状態という。
同本部によると、カズワンの船長は北海道斜里町の豊田徳幸さん(54)。周辺海域では、同本部や地元漁協などが捜索を続けている。
10:20
運輸安全委員会が調査官3人派遣へ
国の運輸安全委員会は24日、事故調査のために調査官3人を現地に派遣することを決めた。
10:00
鈴木知事「一刻も早い救助活動に全力を挙げる」
北海道は24日、災害対策連絡本部の初会議を開催した。道庁や海保、道警、自衛隊などの幹部約25人が参加し、これまでの経過や捜索救助態勢を確認した。
鈴木直道知事は24日から道の防災ヘリを派遣したことに触れ、「安否が不明となっている方の一刻も早い救助活動に全力を挙げて取り組んでいく」と語った。職員には「人命を最優先として、乗客、乗員はもとより、その家族の気持ちに寄り添った協力支援にあたってほしい」と指示した。
会議後に記者団の取材に応じた鈴木知事は、24日午前に斉藤鉄夫国土交通相と電話で会談したことを明かしたうえで、「原因究明を徹底してほしいとお願いし、再発防止をしっかりやっていかなきゃいけないということで大臣と認識の共有を図った」と語った。大型連休に入る前に観光事業者に安全の「再点検」を呼びかけていく考えも示した。
10:00
「10時間で20~40キロ流される」 海保が捜索範囲広げる
報道陣の取材に応じた第1管区海上保安本部(北海道小樽市)の中村至宏(ゆきひろ)総務部長は、遭難海域とされた「カシュニの滝」沖付近から、範囲を広げて捜索をしていると説明した。中村部長は「一般論」と前置きした上で、潮の流れは時速2~4キロ程度と説明。10時間たてば、20~40キロ流される計算となるため、捜索範囲を広げているとした。
24日午前8時時点で、現場海域の波は高さ1メートル。波の陰に入ってしまうと、人を見つけるのは難しい高さだといい、入念な捜索が必要な状態だと説明した。
10:00
運航会社「知床遊覧船」に特別監査へ 国交省
国土交通省北海道運輸局は、観光船の運航会社「知床遊覧船」に、近く海上運送法に基づく特別監査に入る。安全管理規定を順守しているかどうかを確認したうえで、不備があれば行政指導を行う。
同局によると、同社は知床半島周辺の海で、昨年5月に海上の浮遊物との接触事故、6月には座礁事故を起こしている。同局は相次いで事故を起こしたことを重く見て、同年7月に輸送の安全確保に関する指導を行った。同社からは「安全確保を最優先する意識を定着させる」旨の改善報告書が提出されていたという。
10:00
新たに3人を発見
第1管区海上保安本部は、捜索中のヘリコプターが、知床岬付近の岩場や沿岸付近で新たに3人を発見したと発表した。3人とも意識はないという。
ほかに24日の捜索で4人が見つかっており、これで発見されたのは計7人になった。
08:45
ヘリから救急車で搬送
航空自衛隊のヘリが北海道斜里町立の知床ウトロ学校(義務教育学校)のグラウンドに、砂ぼこりを巻き上げながら降り立った。グラウンドには救急車5台が待機。ヘリのプロペラの回転が止まると、救急隊員らがストレッチャーや青い目隠し柵を持って駆け寄り、ヘリで搬送された人を救急車1台に運び込んだ。救急車は間もなくサイレンを鳴らしながら出発。同様の作業が複数回繰り返されていた。
07:05
「4人を発見」 海保発表
北海道・知床半島沖で、26人乗りの観光船「KAZUⅠ(カズワン)」の行方が分からなくなっている事故で、海上保安庁は24日朝、知床岬先端で4人を発見したと発表した。4人は意識がない状態という。周辺海域では、第1管区海上保安本部(北海道小樽市)や地元漁協などが捜索を続けている。
06:05
見送りの漁民、「低い水温では危険」
北海道斜里町のウトロ漁港の岸壁では午前6時5分ごろ、捜索のため知床半島沖合の現場に出動する漁船を年配の漁民3人が不安な表情で見送った。「いまの低い水温では、もし海に落ちれば低体温症ですぐに危険な状態になる」「素人が救命胴衣のひもを結んでも、海中ではすぐほどけてしまうだろう」などと心配そうに話していた。
06:00
漁船、観光船が捜索のため次々に出航
観光船の行方が分からなくなってから一夜明けた24日、北海道斜里町のウトロ漁港には午前5時45分ごろ、漁業関係者や地元消防、観光業関係者とみられる人らが集合。漁協内での打ち合わせの後、午前6時前、漁船や小型観光船など約10隻に分乗し、続々と捜索へ出航した。上空では現場海域の方向へ飛ぶヘリコプターも見られた。
01:20
首相、熊本から急きょ東京へ
岸田文雄首相が首相官邸で記者団の取材に応じ、「現在まで現場周辺海域で捜索救助活動を行っているが、乗員・乗客の発見には至っていない。引き続き人命救助を最優先に、関係機関が全力を挙げて捜索救助活動を行っていく」と語った。また、斉藤鉄夫国土交通相を24日朝に現地へ派遣することを明らかにした。
首相は23日夜、事故の報告を受けて訪問先の熊本県から急きょ東京へ戻り、首相官邸で事故の報告を受けた。
■■■4月23日の動き■■■
22:05
海保「最後の通報は午後2時17分ごろ」
北海道・知床半島西部沖で23日、乗員・乗客26人を乗せて「浸水した」と通報があった観光船について、第1管区海上保安本部は取材に対し、船側との最後のやり取りは同日午後2時17分ごろだったことを明らかにした。浸水したとの連絡は同日午後1時13分ごろだった。
同保安本部によると、午後2時17分ごろの連絡は「子ども2人、大人22人」などの乗員に関する内容だった。その前の段階の連絡では「船首が浸水」「エンジンが使えない」「カシュニ滝のすぐそば」などの内容だったという。
また、同保安本部は捜索は夜通し継続すると説明している。
19:40
海保、自衛隊に災害派遣要請
第1管区海上保安本部は23日午後7時40分、航空自衛隊(第2航空団千歳救難隊)に災害派遣を要請し、受理された。
18:00
海保が現地対策本部を設置
第1管区海上保安本部は23日午後6時、網走海上保安署に現地対策本部を設置した。
17:30
「発見できていない」
海上保安庁によると、ヘリ1機が遭難場所に近いとみられる「カシュニの滝」周辺を捜索しているが、発見できていないという。海保によると、現地にはこのヘリを含めて、巡視船艇5隻、航空機2機を出動させている。ただ夜間になると、捜索が難しくなるという。
16:30
海保の回転翼機が現場付近に
第1管区海上保安本部の回転翼機は23日午後4時半、118番通報のあった観光遊覧船が航行していた現場付近に到着、捜索を始めた。
13:13
海保が対策本部を設置
北海道・知床半島西部沖を航行中の観光遊覧船からの通報を受けて、第1管区海上保安本部は23日午後1時13分、対策本部を設置した。
13:13
「浸水している」と118番通報
第1管区海上保安本部によると、23日午後1時13分ごろ、北海道・知床半島西部沖を航行中の観光遊覧船から、「浸水している」との118番通報があった。船は北海道斜里町の「知床遊覧船」が運航する「KAZUⅠ(カズ ワン)」で、乗員・乗客は計26人。自力航行が出来る状況かどうかは不明という。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル